ITコンサル会社に転職する際に読んだ安宅和人さんの「イシューからはじめよ」に記載されているエッセンスや格言を紹介します。
「イシューからはじめよ 知的生産のシンプルな本質」著:安宅和人
バリュー・イシューとは
・バリューのある仕事とは「イシュー度」「解の質」は2つの軸から成り立つ
>イシュー度:解を出す必要性
>解の質:解の明確性度合い
・イシュー度の高い問題に絞り込むことが不可欠。絞り込まないと時間と体力がかかるだけ(犬の道)
・今本当に答えを出すべき問題(イシュー)を見極める
・問題はまず解くものだと考えがちだが、まずすべきは本当に解くべき問題を見極めること
>サラリーマン(レイバラー)
→ 労働時間で物事を考える。限界まで働く・労働時間で勝負する。
>ビジネスパーソン
→ アウトプットにコミットし、評価される
>プロフェッショナル
→ 専門性を発揮し、顧客へ価値を提供。
・労働時間が長いほど金がもらえるという思想と対極。
・どこまで変化を起こせたかによって対価をもらい評価される。
・いいアウトプットを生み出せるかで存在意義が決まる。
・プロフェッショナルの世界では努力は一切評価されない。結果が全て。
・全ての仕事は結果が全てであり、この結果があるレベルの価値に到達していないと、いかなる価値も持たず多くの場合マイナスになる。
※人から誉められることではなく、生み出した結果が自分の支え、励ましてくれる。
イシューの特定方法
・強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心。
×新しい会計基準について調べる必要がある
○新しい会計基準では、当社の利益が大きく下がる可能性がないか、年間100億の影響があるのではないか
・イシューは言語化が大事
・主語と動詞を明確にシンプルに、WHYよりもWHERE、WHAT、HOWを大事に。
WHERE:どちらか?どこを目指すか?
WHAT:何を行うべきか?何を避けるべきか?
HOW:どう行うべきか?どう進めるべきか?
・イシューは今答えをださなければならないこと、なので、時期、担当している部門、企業によって変わってくる。
・「誰にとって」という主語を変えても成り立つイシューは、見極めが甘い可能性が高い
・答えが出せる見込みのない問題があることを事実として認識し、そこに時間を割かないことが重要。
・情報収集のコツは一次情報に触れること。一次情報とは誰のフィルターも通っていない情報のこと。
・日本の会社の多くでは、社内はともかく外部の専門家に直接話を聞く、といったことをあまりしないが非常にもったいないこと。
・基本情報スキャンのコツは以下の通り。
- 業界内部における競争関係
- 新規参入者
- 代替品
- 事業の下流
- 事業の上流
- 技術・イノベーション
- 法制・規則
→ 上記を数字、問題意識、フレームワークの軸でスキャンする。
・業界に精通した専門家を抱えているはずの一流企業が、高いフィーを払ってコンサルタントを雇うのは、自分達は知り過ぎているが故に、タブーやべき論に束縛され、新しい知恵が出にくくなっているため
・イシュー特定のアプローチ
- 変数を削る(範囲を限定する)
- 視覚化する
- 最終系から辿る
- So what?を繰り返す
- 極端な事例を考える
解の質を向上させる方法
・ストーリーラインと絵コンテづくりの2つが重要。ともにエンハンスされる。
最初はイシュー検討の範囲と内容の明確化
次の段階では、進捗の管理やボトルネックの見極め
最終段階ではプレゼンテーションや論文の仕上げに役立つ。
・イシュー分解もWHERE、WHAT、HOWで分解する。
WHERE:どのような領域を狙うべきか
WHAT:具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか
HOW:具体的な取り組みをどのように実現していくべきか
・検討のフレームワークは世の中に多々ある(3C、VDS、7S、ファイブフォース)
・人に何かを理解してもらおうとすれば、必ずストーリーが必要
・ストーリーラインの型は以下2つ
WHYの並び立て:WHY1、WHY2、WHY3・・・
空・雨・傘:課題確認→深掘り→結論
・イシューを分解し、組み立てたストーリーラインはまだ言葉だけのもの。ここに具体的なデータイメージをビジュアルとして組み合わせることが絵コンテ。
・分析とは比較、すなわち比べること
・定量分析は、1比較、2構成、3変化から成り立つ
伝え方
・デルブリュックの教え
ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ
・エレベータートークのように20〜30秒で概要を伝えられるように。ストーリーラインをそのまま流用できるはず。
・コンサルタントは高いフィーをもらう代わりに、確実に変化を生み出し、クライアントに喜んでもらう仕事
・コンプリートワークをしようとする命を削るので、努力よりも、結果にコミットすることに意識。